金融地雷ベスト5

1.新NISA

私たちは日常的に専門家を必要とし、信頼を寄せています。怪我をした時にはお医者さん、車を買う時にはディーラーなどにアドバイスを依頼します。ただ、金融に関しては複雑な仕組みや制度、知っておくべきことなど様々にありますが、資金管理はプロには頼まない方が良い場合もあります。ここでは、やってはいけない(どうしても実行したいのであれば、資産の何割かだけにとどめる事をお勧めします)トップ5を紹介しましょう。

 

元本保証やあり得ないリターンの証券

無料の保険相談所や無料フィナンシャルプランナー

これは私自身の実体験です。自宅近くの商業施設で、保険相談所が新しくオープンするキャンペーンがありました。キャンペーンの特典はお米5kgです。2024年にはお米の供給が減り、流通の逼迫と価格の高騰がありました。もし、今まさにお米の特典キャンペーンを実施したら争奪戦になるかもしれません。

特に現在加入している保険で不満はなく、保険の乗り換えは検討していませんでした。それでも、金融の専門家による家計アドバイスが聞ける事は朗報でした。(この保険相談所は保険会社の専属契約ではなく、話題の新NISAや減税も相談できるとのふれ込みでした)それに5kgのお米が貰えるなら生活費の足しにも貢献しそうだなと言う事で、ノコノコと蜘蛛の巣に自ら引っかかる覚悟で保険相談所に行きました。

新しく開店した場所なので設備も新しく雰囲気も良かったのですが、他のお客さんは1組だけしかいない状況です。案内された椅子に座り、フィナンシャルプランナーに一通り家族構成や年収、保険加入の状況を説明したところ、案の定、保険の加入を勧められました。

当然、保険の相談所もボランティアでお米を配布して保険を案内している訳ではない事は承知しています。その時に推奨された保険は変額保険で、最低月々10万円程度入金した方が良いとのアドバイス?を受けました。また、入金できるのであれば12万でも14万でも金額が高い方が望ましいと誘導してきます。

その当時は変額保険のことを良く分かっていなかったのですが、自宅に帰宅してから変額保険を手当たり次第に調べ尽くしたことを覚えています。また、自分には全く必要もないことも…。

ライフプランの資金計画表を作れるのか依頼しましたが、こちらの提案は見事に避けられ、変額保険の重要性?をことさらに説明してきたことが強く印象に残っています。お米を貰うと少しでも良いので契約を迫るような圧力を感じざるを得ません。実際にギブアンドテイクの精神で、小額であればと思い契約してしまう人もいるだろうなぁと感じさせる保険相談所でした。

彼らは保険を販売するプロです。保険を売り、手数料を稼ぎ、収入を得る。保険の契約は自分自身のためではなく、彼ら自身の収入の為に懇切丁寧に保険の説明をしてくることを念頭に置かなくてはいけません。無料には訳があるのです。

銀行や対面の証券会社で投資をする

金融に関して最も信頼がおける銀行が、お金の悩みを解決してくれる訳ではありません。確かに現代社会において、銀行はとても重要な位置を占めています。会社で働いた給与を銀行口座に振り込んでもらい、月々の支払いの為に銀行口座から貴重なお金を引き出して支払いに充てます。

いつもニコニコ現金払いと言っても、現金のみで生活を完結する事は困難になりつつあります。クレジットカードの方がポイントも貯まりますし、世界的な流れのキャッシュレス決済も加速度的に世の中に浸透するでしょう。

そんなお金を扱う銀行も得手、不得手が存在します。重宝する銀行口座の引き落としとは別で、資産運用には全く向いていないのです。いえ、向いていないどころか全般的に証券会社より手数料が掛かる、商品ラインナップも貧弱など銀行には任せてはいけない存在です。

対面による証券会社もネット証券と手数料など比較する上では、資産運用の対象ではありません。彼らの高い収入はどこから捻出されているのでしょうか?また、投資信託などにおいて販売手数料が無いノーロード投資信託があるのに、わざわざ販売手数料を彼らに為に支払う理由はあるのでしょうか。手数料を節約できるネット証券で取引をしましょう。

 

未公開株式の売買や他人の投資助言だけに従う

今、ネットでは様々な広告が表示されます。中でも最近の株高を受けて、株投資を指南する広告も多くあります。ニュース等でも日々、投資詐欺や振込み詐欺など報道されており枚挙にいとまがありません。ここで、私自身が実際に体験した投資詐欺を公表します。これは同様な詐欺から身を守って欲しい意図から書いています。

【投資案件のネット詐欺広告】

その日も何気なく、有益な金融情報をネットサーフィンしていました。時折表示される投資手法の広告は基本的にスルーするのですが、投資の本を無料で配布する広告が表示されたので興味本位でクリックしてみました。

どんな本を受け取るにしても必ず金額は掛かります。書籍代や郵送料もかかるでしょう。それが全くの無料という事なので、不安よりも無料で投資本を受け取れる嬉しさの方が優っていました。投資詐欺への入口とは知らずに…。

確かに投資の本は自宅に届きました。一般的に販売されている投資関連の本より薄く、投資のごく基本的なことしか書いてない事は仕方がないのかもしれません。ただ、本の最後にもっと内容が充実した具体的な投資手法を教えますと記載があります。続きはLINEでとありました。

せっかく本まで送ってくれたので、LINEに登録しても問題があればブロックすれば良いのかなと安易な気持ちで友達登録した事を覚えています。そのLINEのトークの中では、投資の先生がいて、その他に沢山の生徒がいるようでした。

まず、先生が特定の銘柄の素晴らしさを褒め称えます。『この株は〜〜だから、これから超絶に上昇するよ』すると生徒らしき人達が『先生!ついていきます』『先生!買いました!』など先生を崇める返信をするのです。見ていて滑稽でした。また、生徒らしき人達はこれまで先生から教わった株でどんなに儲かったのかそれぞれ自慢しています。なんだか恐ろしい宗教に見えてきました。

2〜3日間ほったらかし、投資を勧めるLINEを眺めていましたが、有力な情報も為になる知識も得られず退会しました。いい思い出です。絶対にこの様な投資詐欺LINEには近づかない方が身のためです。詐欺広告には注意しましょう。

 

 

アクティブファンドやウェルスナビに投資

 

アクティブファンドやウェルスナビに投資をしない方が良い理由とは?

新NISAを活用する際、多くの投資家が「どの投資商品を選べばいいのか?」という疑問を持ちます。中でも、「アクティブファンド」や「ウェルスナビ(ロボアドバイザー)」は一見魅力的に見えますが、長期的な視点で見るとおすすめできません。その理由を明確に説明します。

① アクティブファンドを避けるべき理由

アクティブファンドとは、市場平均(インデックス)を上回るリターンを目指して運用される投資信託のことです。一見、優秀なファンドマネージャーが資産を運用してくれるため魅力的に見えますが、次の理由から避けるべきです。

1. 手数料(信託報酬)が高すぎる

アクティブファンドの最大のデメリットは、運用コストが高いことです。

ファンドの種類 信託報酬(年率)

インデックスファンド 0.1% ~ 0.3%

アクティブファンド 1.0% ~ 2.0%

例えば、100万円を運用した場合、信託報酬が1.5%のアクティブファンドだと年間1万5000円も取られます。一方、インデックスファンドならわずか1000円〜3000円程度です。手数料の差が長期的なリターンを大きく左右します。

2. ほとんどのアクティブファンドはインデックスに勝てない

データによると、アクティブファンドの8〜9割は長期的にインデックス(市場平均)に負けるという結果が出ています。

これは、市場の予測が困難であることや、高い手数料がリターンを圧迫することが原因です。確かに、一時的にインデックスを上回るファンドもありますが、それを長期間維持するのはほぼ不可能です。

3. 成績の良いファンドを事前に選ぶのは無理

「過去に優秀な成績を出したアクティブファンドを選べばいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、過去に良い成績を出したファンドが未来も優れた成績を出すとは限らないことが分かっています。

有名なデータとして、「モーニングスターの5つ星評価を獲得したファンドの多くが、数年後には2〜3つ星に落ちる」という研究結果があります。つまり、事前に優れたアクティブファンドを選ぶのはほぼ不可能なのです。

② ウェルスナビ(ロボアドバイザー)を避けるべき理由

ウェルスナビのようなロボアドバイザーは、「自動で資産運用をしてくれる」という手軽さから人気ですが、以下の理由から避けるべきです。

1. 手数料が高い(年間1%)

ウェルスナビの運用手数料は**年間1.1%(税込)**です。

インデックスファンドの信託報酬が0.1%〜0.3%で済むのに対し、ウェルスナビは10倍以上のコストがかかることになります。長期運用するほど、この手数料が資産を圧迫し、大きなリターンの差を生みます。

例えば、年利5%で30年間運用した場合、手数料の違いによって次のような差が生まれます。

•インデックスファンド(手数料0.2%) → 約4,320万円

•ウェルスナビ(手数料1.1%) → 約3,370万円

約950万円の差が生まれるのです。ウェルスナビの手軽さを考えても、このコストは非常に大きなデメリットとなります。

2. 結局、インデックス投資と同じことをしている

ウェルスナビは投資信託やETFを活用した運用を行いますが、その中身はインデックス投資とほぼ変わりません。

ならば、自分でインデックスファンドを購入した方がコストを圧倒的に抑えられるため、ウェルスナビを利用する必要がないのです。

3. 確定申告が面倒になる

ウェルスナビは「特定口座(源泉徴収あり)」に対応していないため、確定申告が必要になる可能性があります。

一方で、新NISAでインデックスファンドを購入すれば、非課税のため確定申告の必要なし。この違いも投資初心者にとって大きなポイントです。

結論:新NISAではインデックス投資が最適

アクティブファンドやウェルスナビは、一見すると魅力的に見えますが、高い手数料と低いパフォーマンスのリスクを考えると、新NISAでは避けるべき投資先です。

一方で、低コストのインデックスファンドを長期運用すれば、手数料を最小限に抑えつつ、複利の恩恵を最大限に受けることができます。

【おすすめの投資戦略】

1.新NISAのつみたて投資枠で低コストのインデックスファンド(例:S&P500や全世界株式)を購入する。

2.配当金は自動で再投資する(分配金を出さないタイプを選ぶ)。

3.途中で売らず、長期運用する。

これが、最もリスクが少なく、確実に資産を増やせる方法です。新NISAを活用するなら、無駄な手数料を払わず、シンプルなインデックス投資を選ぶべきです。

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